ボールは丸い

少し、旅をしています♪ 直感と好奇心とお酒と世界中の友達と

初のCañada Real訪問

カルメン」は私の好きなオペラのひとつであったが、ジプシーという人達を初めて見た。

マドリード中心から南、16kmに渡って続く、ヨーロッパ最大のスラム街、Cañada Realを訪ねた。

 

道路の両側はゴミで埋め尽くされ、家は何でできているかも分からない。人々が家の前に座り、道行く車を見ている。私は、助手席に乗っていたから、この珍しい顔を車の外から視線が集まるのに気付く。顔を見て笑われることだって、少し経験がある。

 

ジプシー街を抜けると、モロッコ移民の街になる。少し雰囲気が違う。ムスリムの服装をした人がそこらにいる。モスクから歌が聞こえる。

 

ある角を左に曲がって、少し昇ると、美しいピッチが現れる。個人の敷地の中に設立された、UEFAからのピッチだ。はあ、こんなところに、と感嘆のため息が出る。

その手前にも、土の地面にカラフルなタイヤで囲んだ狭めの広場があったり、草の中にゴールがあったりする。

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ピッチから少し、未整備の土の道を歩いて行った。峠の向こうには、マドリードで一番大きなゴミ処理場。風が吹くと、嫌な匂いがする。

ゴミが捨てられていた山にはラベンダーが咲いている。白や黄色の美しい花も。

街を見下ろしながら、そこをゆっくり歩きながら、いろんな議論をした。

 

あなたがマドリッド市長だったら、ここをどうする?

 

カルロスからの問いにすぐに答えられなかった。

もっと知りたい、ここのことを。彼らが何を考えているのか、彼らが何に困っていて、どうなりたいのか。

彼らのアイデンティテイは、モロッコ人。モロッコ代表の服を着ている。スペインという国のことをどう思っているのだろう。

もし求められれば、彼らを助けたい。サッカーという素晴らしい道具を使って。

 

日本にはこんな場所ある?

得意の日本についての質問には、すぐに答えた。私たちはそもそも格差が少ない。あと、土地がないから、ごみを埋め立てる為に海に人工の土地を作った。そして、その土地に、オリンピックの会場や選手村を作ろうとしているよ。ひえーーー!

日本人であることはいつも、素晴らしい。世界中の人がある程度のリスペクトを払ってくれる。

 

ロッコ人やサッカーに来た子たちは、なんて愛想がいいんだろう。

笑顔でHola!といって、カルロスと話をする。

街角に売店があって、そこのおじさんもとてもいい人だし、そこには多くの子供たちが買い物に来る。子供の愛おしさも、モスタルの子供たちを思いださせた。

彼らが広い世界を見る手伝いをしたいなあと思った。

 

道端には、ただ座って話していたり、子供たちを視ている人たちがいる。

時間の流れ方は、とても考えさせられる。

私が30分を惜しんで勉強しなきゃとか思っている概念はこの人達にはない。

そりゃ、時間の使い方で、何倍もの功績を収められるけど、生き急ぎすぎていると彼らに言われているような気もする。

 

そう、隠れ家的なバルで、ミントティーをいただいた。この味を忘れられないと思う。

ひと口目は、うえ、ミントなのに甘いっ、て思ったけど、いざ飲んでしまう。最後は甘すぎてあきらめたけど。

 

新しいものに出会ったけど、ショックは受けなかった。

それより、好奇心と探究心がくすぐられるばかりだ。

もっともっと知りたい。何か、できるなら、やりたい。

 

これが、私の、彼らとの、初めての出会いだった。