"好きだ"という表現
言語には、歴史的背景や文化、話者のマインドが隠れていると感じます。
それが言葉を学ぶ楽しさであり醍醐味です。
例えば、サッカーが文化として根付くスペインでは、好きなサッカーチームの聞き方が、出身地を聞く"Where are you from?"と同じ文法だということに気づきます。"De que equipo eres?”
私にはとても新鮮です。この聞き方は、なんで好きなのか?という質問の余地を与えません。
日本語が母国語で、英語とスペイン語を学ぶ私ですが、この3言語だけでも違いに驚きます。
例えば、年齢の言い方がちょっとずつ違います。
日:私は20歳です。
→歳という単位を採用している。
英:I am 20 years old.
→oldという形容詞を用いて、「私はどれくらい古いか」という表現をしている。
西:Tengo 20 años.
→Tengo;Tener(have, 持つ)という動詞を用いて、「私は何年(años)持っている」という表現をしている。
やばい、面白い!!!めちゃくちゃ学問的な解説をしていますが、3言語とってみただけで全然違うということに気付いて、好奇心をくすぐられました。多分、もっともっと深く学んでみると、その言葉や表現に紐づく概念や考え方にたどり着くのかもしれません。
さて、人生で一番大切なのは、愛ですよね。笑
世の中にはたくさんの口説き文句、愛を伝える表現があり、それを一生かけて学ぶというのもとっても面白そうです笑
しかし、一番シンプルな「好き」という表現にも違いがあることに気付きました。※別に対象がyouでなくてもいいのですよ笑
日:私はあなたが好きだ。
「好きだ」というのは、厳密には形容動詞に分類されます。「静かだ」「きれいだ」などと同じ。その”状態”を表すときに使う言葉です。私は、今、あなたのことが好きな状態なのです。
英:I like you.
likeという能動動詞を使っていて、極めて積極的な表現なのかもしれません。私はあなたを好きになるという動きをしているのです。
西:Me gustas.
ああ~と知的好奇心のため息がでてしまいます。スペイン語はどうしてこういう表現になったんでしょう。gustarというのは「好きにさせる」という動詞です。「あなたは私を好きにさせる。」ん?相手本位?相手が好きにさせるのに積極的だから?それとも自分の意思を失ってしまうくらい、好きにさせられてしまったの…?ちなみに、自分から好きになる、好きだという表現も少しあるみたいです。
これについては、もっと知りたい!何か知ってる方や感じている方は是非教えてほしいです。
目に見えている表面的な「言葉」の裏に隠されている文化や歴史、思想を知ることは、本当に楽しいです。
以前、本屋さんで「翻訳できない世界のことば」という本を見つけて、素敵すぎて買ってしまいました。日本語だと「わびさび」とか「ぼやっと」とか「こもれび」。確かに訳せない。外国の言葉たちもとても美しい言葉ばかり。大好きな本の1つです。
これからもいろんな人に出会って、いろんな言葉に出会いたいなと思います♪
ちなみに、今度、ザンビアの子供達と会う機会がありそうなので、ベンバ語という言葉の挨拶を覚えています。(そんな言葉聞いたことなかった…)