ザンビアの女の子達と、この活動
NGOがずっと前からザンビアで活動をしているというご縁で、Donosti Cupに参加しようということになり、16人の女の子と引率3人をスペインに招いた。
個人的には、思うところは沢山あったなぁ〜という感じで、これが成功か失敗かと言われたら、なんとも言えない。。教訓が詰まっていた。
ブラック・アフリカの子達と絡むのは初めての経験で、まず髪型がとても興味深い。エクステンションを地毛に絡ませている。洗わないんだろうな、これ。急に、髪を切り始めた子もいて、この習慣がよくわからない。私の髪を触って、柔らかい!!と驚いていた。
最初は名前も憶えられるか不安だったのに、一緒にいると、やっぱり性格もわかるし、誰と誰が仲良しで、グループがどんな風になっているかもわかってくる。どこの女の子も一緒です。
女の子たちは、おしゃれな服を持ってきていた。カラフルな服が多いな〜。黒人が着るとカッコいいーってやつは多かった。
彼女達は西洋人に憧れがあるようで、私のようなオリエンタルの顔は特に興味なさそうだった。コンタクトレンズには相当興味深々だったけど。
私が既に日本で政治を勉強し、これから公共政策をロンドンで学ぶといったら、キャプテンのメモリーちゃんが、えーなにそれ、詳しく聞かせて!!と言ってきたのが、とても衝撃だった。
敬虔なカトリックで、引率者にはシスター2人もいた。旅に出るとき、ご飯を食べる前に何か唱えながら祈り、教会には30分以上いた。少しなら待てるけど、30分以上はカトリックでない私には無理…だったので、外で待っていた。これこそ寛容のマインドで、一緒に祈らないことは、相手を否定しているわけではなく、自分の生き方を守っている、というふうに認識している。
こういう祈りや歌をみんなが覚えてるのはすごいなぁ。宗教教育のすごさを認識。
マドリードの教会で彼女たちが歌った歌は、心をダイレクトに捉えてきて、涙が出そうになった。声が美しく反響するチャペルで、澄んだ声がハモる。
心をダイレクトに捉える感覚。私の心にはいつもすごい分厚い膜みたいなのがあるけど、たまにこういうのがある。脳を通らないで、何か理由があるわけでもなく、涙がでる。
宗教というものが美しいって初めて思ったような、神秘的な歌声だった。
宗教に関係なく、彼女たちは歌って踊るのが大好き。サッカーよりもそれにエネルギーを使う。ほかに娯楽がないからかな〜。何時間も歌っているだけで楽しそうにしている。
それにしてもハモリがすごくて、レパートリーが多いのに、どの曲も質が高く、街角で歌った時は、近所の人も立ち止まって聞き入るほどだった。わざわざ、近くまできてくれたマダムもいた。(金になるよ、これ。)もっと街の真ん中で歌ったらスカウトされるかもよ、って思った。
宿泊先の学校のスタッフの方が、「ねえねえ、今近所の人からうるさくて寝られないって苦情きたんだけど、まあ、もう終わったし、美しかったからいいよね」と、言っていた。
そんな彼女たちは、サッカーにはあまり興味がない。試合に行くのをめんどくさがるのは嫌だったなあ。子供ならスポーツを楽しそうにやって欲しいし、嫌なら、強要させるのも、プロジェクトとして間違ってると思う。
この活動として、何がしたいのか。この国際大会への参加を通して、異文化を知り、良いマナーを学び、チーム内での絆を深める。ということだと思っていたけど、正確にそのようなミッションや目標はない。
宿泊先や食事での態度、対人コミュニケーション、異文化への好奇心。日本の修学旅行で当たり前にやっていることが、海外では、認識が低い。日本人がワールドカップでゴミ拾いしたことは、日本人が考えている倍以上、外人には衝撃的出来事なんだと、納得がいく。
彼女たちは、異文化への好奇心が薄いと思った。ボスニアの子たちの方が、日本ツアーの時に驚いていた。それの原因はどこからくるのか、と考えると、やっぱり母国での教育なんだろうと推測する。その国の言葉を覚え、現地人と積極的に交流し、リスペクトや感謝を表すことが欠けていると思ったので、自分が伝えていくことにした。
ある日、2-3時間のトレーニングを担当することになった。サッカーの指導なんて、記憶がないほどしたことはなかったが、慶應やセルべでどういう練習をするかは見ていたので、アレンジすることができた。手つなぎ鬼や鎖鬼から初めて、パス練習。2つのグループに分かれて、お互いを見合い、良かった点と悪かった点を指摘し合う構成。このセッションを通して伝えたかったのは、
1)チーム間のコミュニケーション、コーポレーション。常に対話して解決していくこと。
2)試合に臨む姿勢。リスペクト。
練習の中で対話を重視し、ひたすら伝えたいことを繰り返す。
練習に飽きてしまう子もいたり、みんなが話を聞かなかったりするのに、「今日の試合、勝ちたいの?!」と聞いたら、思いっきりYES!という。
その日の試合では、最終的にはまた一点も決めれずにぼろ負けしたが、前半終わったときに、前の日の試合より手ごたえを感じたのか、みんなが興奮状態でベンチに戻ってきて、雨が降っていたにも関わらず、ピッチにでて、改善のための話し合いを始めた。試合後に悔しくて泣いている子もいた。ちょっと、伝わって、感激した。
子供はやればやるほど、すぐに学んでくれるんだなあと感じた。
では、この活動を通して、または教育を通して、何を身に付けさせれば、国の発展に役立ち、みんなが困らないで生活をする国が創れるのか、というテーマに立ち返る。
スポーツマンシップやリスペクト、国際交流を重点の1つに置いている大会に参加して、学ぶことは多いはずだ。、
10代前半でこの経験ができるなんて、恵まれているし、せっかくのチャンスを最大限にその子供たちの中にとどめさせるのは、大人の役割なんだと思った。
最後、とっても人懐っこい彼女たちは、さちこ、ありがとうバイバイといって空港の中に去っていった。
楽しく、学びの多い、貴重な1週間をありがとう。
素敵なご縁で友達になれて、嬉しかった!!