ボールは丸い

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世界遺産 白川郷・五箇山の合掌造り集落 World heritage; Historic Villages of Shirakawa-go and Gokayama  

ずっと行きたかった白川郷に行ってきた。世界遺産白川郷が、白川郷だけではなかった。バスツアーのガイドさんの話を聞いたり、現地の人と話したら、知らないことをたっくさん学ぶことができた。

  • 日本で唯一の人が住む世界文化遺産
  • 1.菅沼集落、2.相倉集落、3.荻町集落の3つが登録されている。菅沼相倉は富山県荻町は岐阜県。菅沼相倉は加賀藩に年貢を納め、荻町は江戸幕府に年貢を納めていた。前田の加賀藩江戸幕府とかなり友好関係にあったといわれており、加賀藩の史跡が残っていることからも菅沼相倉が世界遺産に選ばれた。
  • 何を貢いでいたかというと、獲れる米の量は限られていたので、合掌造りの2階以上で作られている蚕の繭。また、驚きなのが、火薬。土と尿と草を発酵させて作ったものを、鉄砲が日本に入ってきてすぐに、作り始めたという。大便も肥料になるので、人ん家に招かれたら、お土産を持ってくるんじゃなくて、そこで大便をしていくのが最大の御礼の表し方と、ふふふ。
  • 五箇山の民俗資料館のおばさんが色々話してくれた。ドイツ人建築家がこれを独特なもので日本の原風景だと言い、これは普通だと思っていた日本人を説得したという。アンコールワットもフランス人が発見したんだっけ。たくさん集落がありダムに沈んだり瓦屋根に立て替えたりしてしまったけどこの五箇山と菅原と白川郷が残った。じゃあなんでここだけ保存されてたんですか?って聞いたら、入り口の道が狭くてリヤカーしか入れなかったから、建て替えることができなかったと。それで遅れているうちに、発見され、世界遺産になったと。こんなところに世界中から来てくれるようになってねえ、ようこそお越しくださいました、と言ってくれたおばさん。孫が作った繭も見せてくれた。
  • 奥地にあり現代化が遅れたせいで保存され、世界遺産になって、世界中から人が来るようになり、整備されてったというなんとも皮肉な展開。確かに集落に向かう途中には、山奥には似つかない発電所や電線がある。ダム建設に沈んでいった集落。開発と文化保存の葛藤はここにもある。
  • 茅葺き屋根を張り替えるのに2000万円かかる。90%は国が負担してくれているけれども。今わらがなくて順番待ちだそうです。保存は本当に大変だよな、感じたのは文化保存、自然保全と、開発のせめぎ合いと葛藤だよねやはり。合掌造り今建てると1億だって。
  • 相倉集落の駐車場の目の前の家は、世界遺産になる1年前に、瓦屋根に建て替えた。世界遺産になってからは、建て替えるのも、何かいじるのも、県や国やUNESCOの許可がいるので大変。
  • 売らない、貸さない、壊さないの三原則があるが、今となっては、権利だけ持って都会に住んで放置してしまう人もいるという。その為、住む人を探して貸している家がある。これもライフスタイルによるのでは?
  • 同じバスツアーのおばさんが、9割は国が負担してるって皆さんの税金ですって言われた時に、え!って言ってて、ユネスコのお金じゃなくて、って言ってて、ユネスコのお金も私らのお金なんじゃい、なんなら日本がワンオブトップ出資国。日本はこんな活動国内だけでなく海外にやりまくってまっせ、って思ったけど、一般のおばさんはそういう感覚なんだな。ODAであなたの税金をいくら使ってるなんて、知ったら怒るんだろうな、と思った。
  • 白川郷での合掌造りカフェ的なのがあったから行ったら本当に素敵で、人もいい人たちで、合掌造りの屋根を見ながら美味しいコーヒーを。ずっと建物はあったけど、副業でやっていたのをこれ一本でやるようになったというオーナーらしきおじいさん。

葺き替え作業の映像で、技術者さんが、「村の宝が国の宝になって、世界の宝になったもんですから、できるだけ昔の姿を保つように頑張っています。若い子が3人真面目に働いてくれているから、その世代にすべての技術を伝達していきたい」と話していた。

 

宝をどうやって守っていくか。同時に、自分たちの生活をどうやって守っていくか。

便利なものがなんでもある都会に住みたい人は住めばいい。世界遺産に住みたい人は住めばいい。自分の好きな生活スタイルを、不自由や不平等なしにみんなが実現できる世界が、素晴らしいのではないかと思う。日本という美しさを守りながら。