ボールは丸い

少し、旅をしています♪ 直感と好奇心とお酒と世界中の友達と

美しきバスク地方 -はじまりの場所

念願のサンセバスチャン!!

スペインの中で行き残していた街だったので絶対行きたいなぁと思っていた。

マドリードからのバスは、Burgoなどを通って、なーーんもない穏やかな草原を通っていく。結構気持ちが良くて、考えごともできる。

 

スペイン北部のPaís Vasco (バスク地方)は、以前より弱まっているものの、独立を主張しており、スペインとはまた異なっている感じ。Euskeraという言葉を使っていて、スペイン語とはまーったく違うので、なんにもわからない。例えば、ありがとうはEskerrikaskoという。Graciasとなにも似てない。こんなに違ったっけ。現地人でもカステジャーノ(標準スペイン語)が苦手なの、と言っていた。スペイン政府からカステジャーノで教育を受けるように強いられていたけれど、最近はバスク語で教育を受けることができるそう。でも、将来のことを考えると、カステジャーノがしゃべれないとどうにもならない。方言のレベルではなくて、違う言語の話者が混在する国独特の教育の悩みである。70を超える部族語があるザンビアと同じ。

 

サンセバスチャンはとっても穏やかで、ここに流れる空気感が好きだ。とってもとっても小さい街。山と海が近くて、食材も豊富なのだろう、食文化が発達して、世界一美味しい街、とも言われる。マドリードの人は映画や演劇などの娯楽にお金をかけるけれど、バスクの人は食にお金をかけるというデータもあるらしい。

 

バケーションが始まったばかりの7月頭は、ラ・コンチャビーチが人でにぎわい、小さな半島を隔てた海は、とても青く穏やかで美しかった。広い海の向こうに何があるんだろう、と浸って、何分でも見てられる。

 

さて、私の初めての海外は20歳の時のソッカー部スペイン遠征で訪れた、ビルバオである。それまでは日本の外に出たこともなく、遠征でスペインに行くというので、お願いをして、連れて行ってもらった。あそこで見たものすべてが新鮮で、そこから7年間で20か国以上を旅行するようになった。私は純ジャパニーズで、なにも、国際人なんかではない。

 

その6年半前を思い出したいなぁと、ビルバオに寄った。

サンセバスチャンからバスで1時間20分。海沿いや山村を抜ける。乾選手がいたエイバルも通過する。バスクの州都、スペイン第三の街は、やっぱりでかい。サンセバスチャンとは比べ物にならない。

 

バスターミナルがサンマメスから程近く、その姿に衝撃を受けてしまった。ついつい大興奮。。グッズショップに行って、そのあとミュージアムの入り口にいって、衝動的にスタジアムツアーに参加してしまった。

サンマメス とは、アスレティックビルバオというサッカーチームのホームスタジアム。6年前に訪れたときは、隣の敷地に古いスタジアムがあったが、2013年に新しいものを建てた。新しいサンマメスはすごいよーと聞いたことがあったので、絶対行ってみたかった。

外見が素晴らしいだけではなく、中も非常に使いやすそうな作りだった。Stadiam Inspectionというものを何度もやっていたので、撮る写真が職業病で、見るところが、バックボードは大会に合わせて変えられるのか、メディアセンターにどれだけ電源があるのか、選手やVIPはどこから入場するのか、などなど。ジエブにも報告したいほど、機能性に優れていた。2年後、ヨーロッパ各地で行われるユーロ選手権のスペイン唯一の会場にも選ばれている。国際大会を経験した人が、設計や細かい仕様にコメントしたに違いない、というのが伝わってくるスタジアムだった。(吹田とは対照的に・・)

 

街を歩くと、ああ、こんなんだったけな、と、1つ1つを思い出しながら歩くことになる。遠征の時は、ガイドの嶋貫さんについっていっていただけだから、街の地図も街の構成も目新しい。先輩のお友達のミレンさんが急なお願いなのに、色々と教えてくれて、ピンチョスを食べたり、チャコリ(バスクの白ワイン)を飲むことができた。

アスレチックビルバオの事務所は街の伝統的な建物の中にある。それほど、サッカーチームのチカラが強いということだ。バスク純血主義を貫いているこのチームは、レアルとバルサと並んで、一度も二部に降格したことがない。世界を見渡しても稀なクラブだ。その事務所に6年前に入れてもらって、内装に感激したのを思い出した。ソシオ(会員)のバーも地下に併設されている。門にはセキュリティがいなかったので、入ってみたら、建物のセキュリティの人が少しだけ、中を見せてくれた。やっぱり美しかった。世界でも一番美しいサッカークラブの事務所なのでは?

6年前に橋を渡りながら、かの有名な、ビルバオの象徴のようなグッゲンハイム美術館を見た記憶があったので、あのビルバオらしい風景はどこから見たものかな、と探すことにした。候補のいろんな橋を渡ってみたが、なかなか見つからない。

ついに、距離や方角が正しい橋を発見した・・・!!しかし、、グッゲンハイムが見えない。それを隠すマンションのようなものができていた。

街は、変わっていた。6年も時がたつもんなあ。バスク出身のミレンさんのお父さんに聞いてみた。すごく変わってるよ、街は。と答えた。

街は変化し、見えるものも変わっている。私の目に映り、私が感じるものも変わっている。

でも、この街に来て、何か思い出した、あの頃の気持ちと、あの時と同じように見つけるものがある。根本的には、変わっていないのかなあ。

また、この街の空気に触れに来たいと思う。

海外に出る原点であり、始まりの場所。

来てよかったなあ。